歯ぐきが白いのはなぜ?本記事では、歯ぐきが白くなる主な原因を「できもの」「膜」「全体」のタイプ別に解説。
「歯ぐきの一部が白くなっている」
「痛くないけれど、もしかして悪い病気の前兆?」
このような経験はありませんか?
歯ぐきが白くなる原因は、口内炎のような一時的なものから、フィステルや白板症まで実にさまざまです。
「痛くないから大丈夫」と放置してしまうと、気づかないうちに病状が進行するリスクがあります。
本記事では、歯ぐきが白くなる原因や受診する基準などについて解説します。
まずはセルフチェック!あなたの「歯ぐきが白い」はどのタイプ?

歯ぐきが白いといっても、その現れ方は人それぞれです。まずは落ち着いて鏡を持ち、あなたの症状がどのタイプに当てはまるかセルフチェックしてみましょう。
タイプ1:一部に白い「できもの・点」がある
歯ぐきにポツンと白い「できもの」や「点」のようなものがあるタイプです。大きさは米粒大のものから、小豆くらいの大きさまでさまざまです。
触ると少し盛り上がっていたり、周囲が赤く腫れていたりすることもあります。「なんとなく口の中に違和感があるな」と思って鏡を見たら発見した、というケースが多いのがこのタイプの特徴です。
タイプ2:歯ぐきに白い「膜」が張っている
歯ぐきの一部、あるいは広い範囲にわたって、薄い白い膜がベッタリと張り付いているようなタイプです。苔(こけ)が生えたように見えることもあれば、牛乳のカスが付着しているように見えることもあります。
指や歯ブラシで軽くこすると取れるものもあれば、しっかりと張り付いていて取れないものもあり、原因を見分けるポイントになります。
タイプ3:歯ぐきの「全体」が白っぽく、血色がない
歯ぐき全体の色が薄くなり、白っぽく見えるタイプです。健康な歯ぐきは薄いピンク色をしていますが、このタイプでは全体的に赤みが引いて、血の気が引いたような色合いになります。
口の中だけでなく、唇の裏側や舌の色も全体的に薄くなっている場合、口の中だけの問題ではなく、全身の状態が影響している可能性も考えられます。
歯ぐきが白くなる主な原因

ご自身のタイプはある程度把握できたでしょうか。ここからは、先ほどのタイプ別に、考えられる主な原因を見ていきます。
タイプ1:「できもの・点」がある場合に考えられる原因
「できもの」や「点」が見られる場合、口の中で何らかの炎症が起きているか、組織が変化している可能性があります。
口内炎(アフタ性口内炎)
多くの方が一度は経験するであろう原因です。ストレスや疲れ、栄養不足、誤って噛んでしまった傷などが引き金となって発生します。
特徴は、白い円形の潰瘍の周囲が赤く縁取られており、触れると強い痛みがあることです。通常は1〜2週間ほどで自然に治癒していきます。
フィステル(瘻孔:ろうこう)
歯ぐきにできる、ニキビのような白い膨らみです。これは、むし歯が進行して神経が死んでしまったり、根の治療が不十分だったりした結果、歯の根の先に膿が溜まり、その膿が外に出ようとして作った出口です。
口内炎と違って強い痛みを感じないことも多く、膨らみが潰れて膿が出ると一時的に小さくなりますが、原因となる歯を治療しない限り再発を繰り返します。
骨隆起(こつりゅうき)
歯ぐきの下にある骨がコブのように盛り上がった状態です。病気ではなく、歯ぎしりや食いしばりの強い方に多く見られます。
骨そのものなので触ると非常に硬く、痛みはありません。ただし、歯ぐきの皮膚が薄くなっているため、硬い食べ物が当たると傷つきやすく、そこが白く見えることがあります。
口腔がん(歯肉がん)
非常に稀ではありますが、歯ぐきにできる癌の初期症状として、白い変化が見られることがあります。
口内炎だと思っていたものが、2週間以上経っても治らない、白い部分が硬いしこりになっている、触るとすぐに出血する、といった場合は警戒が必要です。
初期段階では痛みが少ないことも多く、発見が遅れることがあるため、少しでも「おかしい」と感じたら受診することが大切です。
タイプ2:「膜」が張っている場合に考えられる原因
膜が張っているような場合は、汚れの付着や感染症などが疑われます。
白板症(はくばんしょう)
歯ぐきや舌、頬の粘膜などが厚くなり、板状に白く変化する病変です。「こすっても取れない」のが大きな特徴で、喫煙やアルコール、合わない入れ歯による慢性的な刺激などが原因とされています。
痛みはほとんどありませんが、まれにがん化する可能性がある「前がん病変」とされているため、注意深い経過観察が必要です。
口腔カンジダ症
お口の中に常在している「カンジダ菌」というカビの一種が、免疫力の低下などをきっかけに異常増殖した状態です。白い苔のような膜が点状、あるいは地図状に広がります。
白い膜はガーゼなどで拭うと剥がすことができますが、剥がした後の粘膜が赤くただれてヒリヒリと痛むことがあります。高齢の方や乳幼児、体調を崩している時などに発症しやすい傾向があります。
食べかす・歯垢(プラーク)
意外と多いのが単なる汚れの付着です。粘り気のある食べかすや、磨き残したプラークが白くべったりと付着している状態です。
特に歯と歯ぐきの境目に溜まりやすく、これらはうがいだけでは取れません。歯ブラシで丁寧に磨いてみて、きれいに取れるようであれば、このケースに該当します。
化学的刺激(ケミカルバーン)
刺激の強い洗口剤を長時間含んだり、歯痛止めなどの薬剤を直接歯ぐきに当て続けたりすることで、粘膜が化学的なやけどを起こして白くただれることがあります。
原因となった刺激物の使用をやめれば、通常は数日で粘膜が再生して治癒します。
タイプ3:「全体」が白っぽい場合に考えられる原因
歯ぐき全体の色調が変化している場合は、口の中だけでなく、全身の状態に目を向ける必要があります。
貧血
血液中のヘモグロビン濃度が低下すると、全身に十分な酸素が行き渡らなくなり、顔色が悪くなるのと同様に、歯ぐきの赤みも失われて白っぽく見えるようになります。
めまいや立ちくらみ、動悸、息切れといった全身症状を伴うことが多いでしょう。この場合は歯科だけでなく、内科での検査も検討する必要があります。
血行不良
タバコに含まれるニコチンには血管を収縮させる作用があるため、喫煙習慣のある方は歯ぐきの血行が悪くなり、色が暗紫色や白っぽく見えることがあります。
歯ぐきの細胞に十分な酸素や栄養が届きにくくなるため、歯周病が進行しやすくなるリスクも高いです。
「痛くないから大丈夫」は間違い?痛みの有無と危険度の関係

痛みの有無と病気の重症度は、必ずしも比例しません。
先ほど解説したフィステルは、歯の内部で骨が溶かされているにもかかわらず、痛みを感じない時期が長く続きます。また、白板症や初期の口腔がんも、自覚症状がほとんどないまま進行することが少なくありません。
「痛くないから大丈夫」と放置している間に、病状が少しずつ、しかし確実に進行してしまうリスクがあります。
そのため、痛みの有無だけで安心・危険を判断するのは禁物です。
歯ぐきが白い…と感じたら歯科医院へ受診を

以下のような特徴がある場合は、ためらわずに早めに歯科または歯科口腔外科を受診してください。かかりつけの歯科医院があれば、そこで相談するのが一番スムーズでしょう。
- ・2週間以上治らない
- ・白い部分が拡大している
- ・こすっても取れない
- ・表面がザラザラ・デコボコしている
- ・硬いしこりがある
- ・簡単に出血する
- ・しびれや麻痺がある
明らかに誤って噛んでしまった直後にできた口内炎や、硬い食べ物が当たってできた傷などは、原因がはっきりしており、数日で快方に向かうなら過度に心配する必要はないでしょう。「数日様子を見たけれど、やっぱり治らない」という場合は、遠慮なく受診してください。
まとめ
歯ぐきが白くなる原因は、口内炎のような一時的なものから、フィステル、白板症、口腔カンジダ症などさまざまです。
放置してしまうと、気づかないうちに病状が進行するリスクがあります。特に、初期の口腔がんや白板症は痛みを伴わないことが多く、注意が必要です。
厚誠会歯科 新百合ヶ丘では、地域のかかりつけ医として、こうしたお口の異変に関するご相談も承っています。
「2週間以上治らない」「しこりができた」「こすっても白い部分が取れない」といった症状に気づいた際は、お気軽にご相談ください。












