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2025-12-09

甘いもので歯がしみるのはむし歯?知覚過敏?原因と対処法を解説

甘いもので歯が「キーン」としみるのはなぜ?本記事では、その原因が虫歯なのか知覚過敏なのか、考えられる3つの理由を解説します。放置するリスクと歯科医院での治療法、自宅でできる応急処置まで紹介します。

「仕事の合間に食べたチョコレートで歯がキーンとしみた」

「ジュースが歯にしみる…これってむし歯?」

「でも、痛いのは一瞬だし、歯医者に行くほどでもないかな?」

ふとした瞬間に歯を襲う鋭い痛みは、すぐに治まるからと放置しがちです。

しかし、甘いもので歯がしみるのは、歯の内部にある象牙質が無防備にさらされている証拠であり、放置すれば将来的に抜歯や大掛かりな治療が必要になるリスクをはらんでいます。

この記事では、なぜ甘いもので歯がしみるのか、その原因と放置することの危険性、対処法などについて解説します。

そもそも、なぜ「甘いもの」で歯がしみるの?

まず、「甘いもので歯がしみるの?」という点からお話ししましょう。この現象には、「浸透圧(しんとうあつ)」という仕組みが関わっています。

私たちの歯の表面は「エナメル質」という、体で最も硬い組織で覆われているのをご存じな方も多いでしょう。しかし、その内側には「象牙質(ぞうげしつ)」という少し柔らかい層があります。この象牙質には、「象牙細管(ぞうげさいかん)」と呼ばれる、歯の神経につながる無数の細い管が通っています。

通常はエナメル質に守られているため、象牙質が刺激を受けることはありません。ところが、何らかの理由でこのエナメル質のバリアが壊れ、象牙質が剥き出しになってしまうと話は変わります。

そこにチョコレートやジュースのような甘いものが触れると、浸透圧の働きで象牙細管の中にある水分が急激に外へ吸い出されます。この水分の急な動きが神経を刺激し、「キーン」という鋭い痛みを引き起こすのです。

つまり、甘いもので歯がしみるということは、歯を守っているエナメル質が損なわれ、無防備な象牙質が剥き出しになっているという紛れもない証拠です。

歯がしみる3つの原因

甘いもので歯がしみるのは、以下の3つの原因が考えられます。どれも象牙質が露出するという点は共通していますが、その経緯は全く異なります。

原因①:むし歯

最も多い原因は、やはりむし歯です。むし歯は、お口の中のむし歯菌が糖分をエサにして作り出す酸によって、歯の表面のエナメル質が溶かされてしまう病気です。

初めのうちは自覚症状がほとんどありません。しかし、むし歯が静かに進行してエナメル質に穴が開き、その下の象牙質まで達すると状況は一変します。

甘いものの刺激が神経に直接伝わりやすくなり、「しみる」「痛い」と感じるようになるのです。

原因②:知覚過敏

一方、歯に穴が開いていなくても、しみることがあります。それが知覚過敏です。

知覚過敏は、むし歯以外の原因でエナメル質が削れたり、歯周病などで歯ぐきが下がって象牙質が露出してしまったりすることで起こります

たとえば、毎日の歯磨きの力が強すぎたり、睡眠中の歯ぎしりや食いしばりがあったりすると、歯の表面が少しずつ削れて象牙質が露出します。また、歯周病が進行すると歯ぐきが下がり、歯の根元の象牙質が剥き出しになってしまうのです。

これらはむし歯のように穴が開いているわけではありませんが、歯のバリア機能が低下している状態と言えるでしょう。

原因③:歯のひび・亀裂

目には見えないほど細かなひび割れ(マイクロクラック)が歯に入っている場合も、しみる原因になり得ます。硬いものを噛んだ衝撃や、歯ぎしりなどで生じた亀裂から糖分が内部に浸透し、神経を刺激してしまうのです。

マイクロクラックはご自身で発見するのが非常に難しく、レントゲンにも写らないことがあるため、慎重な診査診断が必要です。

まずは歯科医院へ!原因別の主な治療法

甘いもので歯がしみる症状を根本的に解決する唯一の方法は、歯科医院で診断を受け、原因に合った適切な治療を受けることです。

初期のむし歯であれば、むし歯の部分だけを最小限削り、レジン(歯科用の白いプラスチック)を詰める治療で、1回で終わることがほとんどです。痛みも少なく、保険適用で治療できます。

また、知覚過敏の場合象牙質が露出している部分に、刺激をブロックする専用の薬を塗布します。これは痛みもなく数分で終わる処置です。歯ぎしりが原因の場合は、歯を守るためのマウスピース(ナイトガード)を作成することもあります。

甘いもので歯がしみるのを放置するリスク

「痛いのは一瞬だし、そのうち治るだろう」と軽く考えてしまうのは、非常に危険です。しみる症状は、放置しても自然に良くなることはほとんどなく、むしろ悪化の一途をたどるケースが大半です。

もしむし歯だったら神経を抜く治療や抜歯の可能性も

しみる症状が出ている段階のむし歯は、まだ神経が生きている証拠。この段階で治療すれば、むし歯の部分を削って詰め物をするだけの、比較的簡単な治療で済むことがほとんどです。

しかし、放置すると、むし歯は歯の奥深く、神経にまで達してしまいます。こうなると、何もしなくても激しい痛みに襲われる状態になり、歯の神経を抜く治療が必要です。

治療回数も費用も格段に増え、神経を失った歯はもろくなり、将来的に歯が割れたり折れたりするリスクも高まります。

最悪の場合、歯を残すことができず「抜歯」という選択をせざるを得なくなる可能性すらあるのです。

もし知覚過敏だったら歯周病の悪化やむし歯になる危険性

「知覚過敏なら、むし歯じゃないから安心」と思うのは早計です。知覚過敏もまた、放置してはいけません。

なぜなら、知覚過敏の原因となっている歯ぐきの下がりは、歯周病が進行している証拠かもしれませんし、エナメル質の摩耗は歯ぎしりなどお口全体のバランスが崩れているかもしれないからです。

露出した象牙質はエナメル質よりもやわらかく酸に弱いため、むし歯になりやすい状態です。知覚過敏を放置することは、将来のむし歯を育てているようなものと言えるでしょう。

歯科医院に行くまでに…痛みをやわらげる3つのセルフケア

すぐに歯科医院に行けない場合や、次の予約日まで痛みを少しでもやわらげたいという方のために、ご自身でできる応急処置を3つご紹介します。ただし、これらはあくまで一時的な対策であり、根本的な解決にはならないことを忘れないでください。

①知覚過敏用の歯磨き粉を使う

ドラッグストアなどで市販されている知覚過敏用の歯磨き粉には、「硝酸カリウム」などの薬用成分が含まれています。

この成分が、象牙質に露出した管を塞ぎ、神経への刺激の伝達をブロックしてくれるため、しみる症状を緩和する効果が期待できます

②優しい力でブラッシングする

「汚れを落とさなきゃ」とゴシゴシ強く磨くのは逆効果です。強い力で磨くとエナメル質をさらに傷つけ、歯ぐきを後退させてしまい、症状を悪化させる原因になります。歯ブラシの毛先を優しく当てるように磨きましょう。

③酸の強い食べ物・飲み物を控える

柑橘系の果物、お酢、スポーツドリンク、炭酸飲料などは酸性度が高く、歯の表面のエナメル質を溶かす原因となります。しみる症状があるときは、これらの摂取を少し控えるだけでも刺激を減らすことができます

まとめ

甘いものを食べた時に感じる「キーン」という痛みの原因は、むし歯や知覚過敏、歯の亀裂が考えられます。

「痛いのは一瞬だから」と軽視してしまうと、むし歯の場合は神経を抜く治療や抜歯に、知覚過敏の場合でも歯周病の悪化やむし歯を誘発するリスクがあります。

露出した象牙質は、それ自体が非常にむし歯になりやすい弱い状態です。まずは歯科医院で原因を正確に診断してもらい、適切な治療法を相談することから始めましょう。

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