2025-12-02
【緊急】夜、歯が痛くて眠れない!今すぐできる応急処置5選と絶対NGな行動
夜中に突然、歯がズキズキ痛くて眠れない…そんな緊急事態に役立つ応急処置を解説。痛みを悪化させるNG行動や夜になると痛む原因、翌日必ずすべきことを紹介します。
「夜中に突然、歯がズキズキ痛くて眠れない」
「今すぐこの痛みをなんとかしたい!」
このような状況で不安と焦りでいっぱいになっていませんか?
夜中の歯の痛みは、適切な応急処置を知っているかどうかで、つらさが大きく変わります。さらに、良かれと思ってやった対処が、かえって痛みを悪化させることにもなりかねません。
そこで本記事では、歯科医院が開いていない夜間でもご自身でできる応急処置と、絶対に避けるべきNG行動について紹介します。
歯の痛みで眠れない夜の緊急応急処置リスト

パニック状態で色々な情報を探すのは大変です。今、この瞬間、痛みを少しでもやわらげるためにできることをリストにしました。試しやすいものから順番に見ていきましょう。
①痛む場所を頬の外側から冷やす
まず試してほしいのが、痛む場所を頬の外側からやさしく冷やすことです。
冷やすことで炎症を起こしている部分の血管が収縮し、ズキズキとした拍動性の痛みがやわらげる効果が期待できます。
濡らしたタオルやタオルで包んだ保冷剤、もしあれば熱さまし用の冷却シートなどを、痛む側の頬にそっと当ててみてください。じんわりと冷たさが伝わるくらいがちょうど良いでしょう。
ただし、ここで注意したいのが「冷やしすぎ」です。早く痛みを止めたいからといって、氷を直接口に含んだり、長時間当て続けたりするのは逆効果。強すぎる刺激は、かえって歯の神経を刺激して痛みを増幅させてしまう可能性があります。
②市販の痛み止め(鎮痛剤)を正しく服用する
もしご自宅に市販の痛み止めがあれば、それを服用するのも有効な手段です。歯の痛みの多くは炎症によるものなので、炎症を抑える作用のある鎮痛剤が効果を発揮します。
薬局で手に入る痛み止めの中でも、「ロキソプロフェン」や「イブプロフェン」といった成分が含まれているものは、歯の痛み(歯痛)への効果が明記されていることが多く、頼りになります。
服用する際は、必ず箱に書かれている用法・用量を守ってください。空腹時を避け、多めの水で飲むのが基本です。
③ぬるま湯でやさしくうがいをする
食べかすが歯の隙間に挟まっていたり、むし歯の穴に入り込んだりして痛みを引き起こしている可能性も考えられます。そういったケースでは、うがいで口の中を清潔にすることが、痛みの軽減につながることがあります。
ポイントは、刺激の少ない「人肌くらいのぬるま湯」を使うこと。冷たすぎる水や熱いお湯は、炎症を起こした神経を刺激してしまいます。口にぬるま湯を含んだら、痛い場所に水流を当てるように、決して激しくではなく、やさしくゆすいでください。ぶくぶくと強くうがいをすると、かえって患部を刺激してしまう恐れがあります。
痛みを悪化させる!夜の歯痛で絶対やってはいけないNG行動

良かれと思って取った行動が、実は痛みを悪化させる「火に油を注ぐ」行為になってしまうことがあります。つらい状況をこれ以上悪化させないために、これから挙げる3つの行動は絶対に避けてください。
NG①:熱いお風呂・カイロなどで体を温める
つらいからといって、熱いお風呂にゆっくり浸かったり、カイロなどで痛む頬を温めたりするのは避けましょう。
なぜなら、血行が良くなると、炎症を起こしている歯の神経(歯髄:しずい)に流れ込む血液量が増え、神経を内側からさらに強く圧迫してしまうからです。結果として、ズキズキとした痛みがより一層ひどくなります。
NG②:お酒を飲む
「お酒を飲んで痛みを紛らわそう」と考えるのは、非常に危険です。アルコールにも体を温めるのと同様に、血行を促進する作用があります。
血管が拡張し、心拍数も上がるため、痛む部分の神経がさらに圧迫され、激痛を引き起こす原因になりかねません。
NG③:患部を指や舌でいじる・喫煙する
痛む場所は、どうしても気になってしまいますよね。指や舌でつい触ってみたくなる気持ちはよく分かります。ですが、これも避けるべき行動です。
患部をいじるという行為は、ただでさえ敏感になっている神経に余計な刺激を与えることになります。
また、喫煙もNGです。タバコに含まれるニコチンには血管を収縮させる作用がありますが、それ以上に、喫煙自体が血行を促進し、体の免疫力を低下させ、傷の治りを遅らせてしまいます。
夜中にズキズキ…考えられる歯の痛みの正体

では、そのつらい痛みの原因は何なのでしょうか。考えられる代表的な歯の病気を理解しておきましょう。
むし歯が神経に到達した「歯髄炎(しずいえん)」
夜間に「ズキズキ」「ドクドク」と脈打つような、何もしなくても続く激しい痛みがある場合、可能性が高いのが「歯髄炎(しずいえん)」です。
これは、むし歯が歯の内部にある神経(歯髄)にまで到達してしまい、神経が細菌に感染して激しい炎症を起こしている状態です。
歯髄炎の痛みは非常に強く、市販の痛み止めが効きにくいこともあります。緊急性が非常に高い状態で、一刻も早い治療が必要です。
歯の根っこに膿が溜まっている「根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)」
以前に神経の治療をしたはずの歯が痛む、噛むと響くように痛い、歯ぐきがぷくっと腫れている、といった症状がある場合は、「根尖性歯周炎」が疑われます。
これは、歯の根っこの先に細菌が感染し、膿の袋ができてしまっている状態です。体力が落ちた時などに膿の袋が急性化して、強い痛みや腫れを引き起こします。
その他に考えられる原因(歯周病・親知らずなど)
上記のほかにも、歯周病が重度に進行して歯ぐきが腫れ上がっているケースや、親知らずが横向きに生えていて隣の歯や歯ぐきを圧迫し、炎症を起こしているケースなども、夜間に強い痛みを引き起こす原因となります。
夜になると歯が痛くなる3つの理由

寝ようとすると急に痛み出す理由は、以下の通りです。
理由①:横になると頭に血が集まるから
日中は、血液は重力に従って足の方へ流れます。しかし、夜になってベッドで横になると、体全体が水平になり、頭部へ流れる血液の量が増加します。
歯の神経は、硬い歯に囲まれた狭い空間にあり、そこへ血液がどっと流れ込むと、神経の入っている部屋はパンパンに膨れ上がって圧迫します。この圧迫が、ズキズキとした拍動性の激しい痛みとして感じられるのです。
理由②:体がリラックスモードになり、血管が広がるから
夜になってリラックスする時間帯になると、今度は体を休ませるための「副交感神経」が優位になります。
副交感神経には、血管を広げる作用があり、血管が広がれば、当然そこを流れる血液の量も増えます。
理由①の横になるという物理的な要因に加えて、血管拡張という要因が重なることで、歯の神経への圧迫がさらに強まり、痛みが増してしまうのです。
理由③:日中の忙しさで痛みに気づいていなかっただけ
心理的な面も関係しています。日中は仕事や家事、勉強など、何かに集中していることが多いですよね。脳が他のことに気を取られている間は、体のささいな痛みを感じにくくなっています。
しかし、夜になって周囲が静かになり、ベッドに入って自分自身の体に意識が向くと、それまで脳が無視していた痛みをはっきりと感じるようになります。「歯が痛い」と気づいた途端、その痛みがどんどん大きく感じられてしまうのです。
応急処置はゴールじゃない!翌日、必ず受診しよう

ここまで紹介した応急処置で少しは痛みがやわらいだかもしれません。しかし、そのまま放置をするのは避けましょう。
痛み止めで痛みの感覚を麻痺させても、痛みの原因であるむし歯菌や炎症は残っており、自然に治ることはありません。適切な処置をなさねば、いずれさらに大きな問題を引き起こします。
歯髄炎の場合、放置したらどうなるのでしょうか。やがて神経は完全に死んでしまい、一時的に痛みを感じなくなるかもしれません。
しかし、それは治ったのではなく、神経が腐ってしまっただけです。腐敗した神経は細菌の温床となり、歯の根っこへと感染を広げ、最終的には歯を支える顎の骨まで溶かしてしまう恐れがあります。
そうなると、治療は大掛かりなものになります。治療期間も費用も、初期段階とは比べ物にならないほどかさんでしまいます。
そして最悪の場合、残せたはずの歯を抜かなければならなくなるのです。そうならないためにも、翌日は必ず受診しましょう。
まとめ
これらの応急処置は、あくまで痛みを一時的に緩和するための「対症療法」です。
痛みが少しやわらいだとしても、その原因であるむし歯や歯の根の炎症が自然に治ることは決してありません。放置すれば、神経が死んでしまったり、最終的には抜歯に至ったりするリスクもあります。
つらい夜を乗り切ったら、翌朝必ず歯科医院に連絡し、受診してくださいね。












