「マイクロスコープを使っている歯医者は、普通の歯医者と何が違うの?」
「費用は高いって聞くけど、それだけの値はあるの?」
このような疑問はありませんか?
マイクロスコープとは、最大約20倍まで視野を拡大できる歯科専用の手術顕微鏡です。
肉眼では見えなかった細かなむし歯や歯の根っこの中まで確認できるため、治療の精度を飛躍的に高めることができます。
ただし、「導入しているだけ」で安心とは限らず、歯科医院選びにもコツがあります。
本記事では、マイクロスコープを使う歯医者を選ぶ6つのメリットと3つのデメリット、費用の目安、後悔しない歯科医院選びのポイントを解説します。
マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)とは?

マイクロスコープとは、ひとことで言えば歯科専用の手術顕微鏡です。もともとは脳外科や眼科の手術で使われてきた精密機器で、それを歯の治療向けに改良したものが歯科用マイクロスコープにあたります。
では、普通の治療とどのくらい見え方が違うのか、わかりやすく比較してみましょう。
- ・肉眼:倍率はそのまま1倍
- ・拡大鏡(ルーペ):おおむね3〜8倍
- ・マイクロスコープ:最大約20倍
数字だけ並べてもイメージしにくいかもしれません。身近な例でたとえるなら、スマホで撮った写真をめいっぱいピンチアウトして拡大する感覚に近いでしょうか。
肉眼では「なんとなく黒っぽい影」にしか見えなかったものが、マイクロスコープを通すと輪郭も色味もくっきり映し出されます。
この拡大性能が特に力を発揮するのが、歯の根っこの内部です。神経や血管が通る管(根管)は太さ1mm以下のものもあり、肉眼やルーペだけでは見通せる範囲に限界があります。
マイクロスコープであれば、光で照らしながら管の奥まで直視できるため、精密な処置が可能になるのです。
なお、日本国内でマイクロスコープを導入している歯科医院の割合は、およそ5〜10%と言われています。まだまだ普及途上の設備であり、使っている医院を選ぶかどうかが治療結果に差をつけるポイントになります。
マイクロスコープを使う歯医者で治療を受ける6つのメリット

マイクロスコープの強みは見えることです。では、見えることが実際の治療でどんな違いを生むのか、6つのメリットを順に見ていきましょう。
メリット①:肉眼では見えないむし歯や汚れが確認できる
歯科治療で怖いのは取り残しです。肉眼では健康に見える部分にも、ごく初期のむし歯や歯石が潜んでいることがあります。
マイクロスコープを使えば、こうした微細な病変を術者が拡大視野で直接確認しながら処置できるため、見落としのリスクを減らすことができます。
メリット②:健康な歯をできるだけ削らずに残せる(MI治療)
MI治療(ミニマルインターベンション)とは、直訳すると「最小限の介入」です。悪くなった部分だけをピンポイントで取り除き、健康な歯質はなるべく削らずに温存するという考え方です。
肉眼での治療では、むし歯と健康な歯の境界が判別しにくいため、多めに削らざるを得ないケースがあります。
マイクロスコープなら、むし歯と健康な歯の境界線をとらえながら削り進められるので、天然の歯を多く残すことが可能になります。
メリット③:根管治療の精度があがり再発・抜歯リスクを減らせる
根管治療とは、歯の内部にある神経や血管が通る細い管(根管)に細菌が入り込んでしまったとき、中をきれいに掃除して消毒する治療のことです。
根管は、肉眼では奥まで見通すことが難しく、手指の感覚を頼りに進める手探りの治療になりがちです。
マイクロスコープを使えば、暗く狭い根管の内部を強い光で照らしながら拡大して確認できます。見落としやすい枝分かれした細い管も発見しやすくなるため、治療の精度と成功率が向上します。
メリット④:「抜歯しかない」と言われた歯を残せる可能性が広がる
他院で「この歯は残せない」と診断された場合でも、マイクロスコープを使うことで判断が変わるケースがあります。
たとえば、肉眼では発見できなかった歯根の亀裂の正確な範囲を把握でき、抜歯を回避できる可能性が生まれます。もちろんすべての歯を残せるわけではありませんが、見えることで治療の選択肢が増えるのはメリットです。
メリット⑤:詰め物・被せ物の精度が上がり長持ちしやすくなる
治療してもらった歯が数年でむし歯になった経験がある方は少なくありません。原因のひとつが、詰め物や被せ物と歯の境目にできるすき間です。目に見えないほどの段差でも、そこに細菌が入り込めば二次むし歯につながります。
マイクロスコープを使えば、詰め物・被せ物のフィット具合を高倍率で確認しながら調整できます。すき間からの細菌侵入リスクが減り、結果として詰め物・被せ物が長持ちしやすくなるでしょう。
メリット⑥:治療の様子をモニターで確認できる
マイクロスコープには、カメラで映した映像をモニターにリアルタイムで映し出す機能があります。
治療前と治療後の状態を画像や動画で見比べながら説明を受けられるため、納得したうえで治療に臨めます。
知っておきたいマイクロスコープのデメリット3つ

マイクロスコープはメリットが多くありますが、以下のデメリットもあります。
デメリット①:自由診療になるケースが多く、費用が高くなりやすい
マイクロスコープ治療=すべて自費、というわけではありません。
たとえば根管治療では、2022年度の診療報酬改定で「歯科用3次元エックス線断層撮影およびマイクロスコープを活用した根管治療の加算」が新設され、所定の施設基準を満たした歯科医院であれば、保険の枠組みで顕微鏡下の根管治療を受けられるケースがあります。(2026年8月現在)
ただし、適用には施設基準の届出など条件があるため、すべての医院で保険が使えるわけではないのが実情です。
むし歯治療や被せ物の調整にマイクロスコープを使う場合は、多くの歯科医院で自由診療扱いとなります。あくまで参考ですが、費用の目安は以下の通りです。(2026年8月現在)

デメリット②:1回あたりの治療時間が長くなる傾向がある
精密に処置をするぶん、1回あたりの治療時間は肉眼だけの治療よりも長くなることがあります。拡大して確認しながら進めるため、1回の治療が60〜90分に及ぶケースも珍しくありません。
デメリット③:導入している歯科医院がまだ少ない
国内でマイクロスコープを導入している歯科医院はおよそ5〜10%です。都市部では比較的見つかりやすいものの、地域によっては近隣に対応医院がないこともあり得ます。
マイクロスコープを導入している歯医者の選び方のポイント
マイクロスコープを導入しているだけで安心、とは限りません。なぜなら、マイクロスコープは設置すればすぐ使いこなせるものではなく、高倍率での手術操作には独自のトレーニングが必要だからです。以下は、確認しておきたい3つのポイントです。
- ①マイクロスコープを使った治療実績が豊富か
- ②幅広い治療にマイクロスコープを活用しているか
- ③治療前に丁寧な説明があるか
まず確認したいのは、担当する歯科医師がマイクロスコープを使いこなしているかどうかです。マイクロスコープ下の治療は通常の治療とは手の動かし方や視線の使い方が異なり、習熟には相応の症例数が必要とされています。
ホームページに症例紹介や実績が掲載されているか、また学会や研修会での研鑽について触れられているかは判断材料になるでしょう。
また、「マイクロスコープ完備」と掲げていても、実際に使うのは特定の処置だけというケースがあります。根管治療だけでなく、むし歯の除去や被せ物の調整にも日常的に活用している歯科医院なら、機器を十分に活かしていると判断できるでしょう。
迷ったときは、初診のカウンセリングや電話で「マイクロスコープはどの治療に使っていますか」「治療実績はどのくらいありますか」と聞いてみるのがおすすめです。
まとめ
マイクロスコープを使うことで、むし歯の取り残し防止や健康な歯の温存、根管治療の精度向上など、肉眼では難しかった精密な治療が可能になります。費用や治療時間の面でデメリットはあるものの、再発・再治療を防ぐことで、結果として大切な天然歯を長く守ることにつながります。
メリットとデメリットの両方を理解したうえで、実績が豊富で信頼できる歯科医院を選びましょう。
厚誠会歯科 新百合ヶ丘では、精密な診断と治療を可能にするマイクロスコープを導入し、精度の高い歯科治療を提供しています。他院で抜歯を勧められた方も、諦める前にぜひ一度当院へご相談ください。













