「オールセラミックにしたいけど、数年で黄ばんだりしない?」
「ネットでセラミックが変色したという口コミを見て不安」
このような疑問や不安はありませんか?
結論からお伝えすると、オールセラミックという素材そのものが変色することはありません。お皿やマグカップなどの「陶器」と同じ成分で作られており、水分や色素を内部に吸収しないためです。
しかし、「セラミックにしたのに色が変わった」と勘違いされやすいケースもあります。
そこで本記事では、オールセラミックが変色しない理由をはじめ、変色したと誤解される原因、レジンやジルコニアなど他素材との違いについて解説します。
オールセラミック自体は変色しない

結論からお伝えすると、オールセラミックという素材そのものは変色しません。オールセラミックの主成分は、お皿やタイルと同じ「陶材(セラミック)」だからです。
白い陶器のマグカップに毎日コーヒーを注いでも、洗えば元の白さに戻りますよね。カップそのものが茶色く染まることはありません。オールセラミックもこれと同じ原理です。
長石系やニケイ酸リチウムといったセラミック素材は、1,000℃前後の高温で焼き固められています。表面の組織が緻密に詰まっているため、コーヒーやカレーの色素分子が内部に入り込む隙間がほぼありません。つまり、色を吸わないから変色しないのです。
一方、保険適用のレジン(プラスチック素材)は分子構造に細かな穴があり、水分や色素をスポンジのように吸い込んでしまいます。
「変色した」という声があるのはなぜ?勘違いされやすい3つのケース

ネット上では「セラミックにしたのに色が変わった」という声を見かけることもあります。ただ、こうしたケースをよく調べると、オールセラミック自体が変色したわけではないことがほとんどです。
ケース①表面に付着した「着色汚れ(ステイン)」を変色と誤認している
コーヒーや紅茶、タバコのヤニなどは、セラミック表面にも汚れとして付着します。とくに表面に目に見えない細かな傷があると、そこに色素が入り込み、汚れが定着しやすくなります。
ただし、これは素材の内部にまで染み込む変色とは異なり、あくまで表面に乗っている汚れです。歯科医院で専用の器具やペーストを使ったクリーニング(PMTC)を受ければ、元の白さを取り戻すことができます。
ケース②「ハイブリッドセラミック」をオールセラミックと混同している
名前に「セラミック」と付いていても、レジン(プラスチック樹脂)を混ぜた「ハイブリッドセラミック」はまったくの別物です。ハイブリッドセラミックはセラミックの微粒子をレジンで固めた構造になっており、オールセラミックに比べて安価で加工しやすい反面、時間の経過とともに水分を吸収する性質があります。そのため、数年で黄ばみやくすみが目立ってくることがあります。
「セラミックにしたのに変色した」という声の多くは、ハイブリッドセラミックを指している可能性が高いです。
ケース③接着剤(セメント)の劣化や歯の根元の変色が原因になることも
セラミック本体は白いままでも、接着に使ったセメントが経年で劣化・変色すると、セラミックと歯の境目がうっすら暗く見えたり、黄色っぽく変化して見えたりすることがあります。
また、土台となる歯自体が神経を抜いた影響などで暗く変色し、その色がセラミック越しに透けて見えるケースもあります。
オールセラミック・ハイブリッド・ジルコニア・レジンの変色リスクはどう違う?

ここでは、名前が似ていて混乱しやすい4つの素材の変色リスクを見ていきましょう。
レジン(保険の白い詰め物)は安価だが2〜3年で黄ばみ・変色しやすい
レジンは保険適用のため費用を抑えられますが、プラスチック素材であることに変わりありません。水分や色素を吸収しやすく、早ければ2〜3年で黄ばみが目立ち始めます。強度もセラミック系に比べると低く、欠けや摩耗が起きやすい傾向があります。寿命の目安はおよそ3〜5年程度です。
ハイブリッドセラミックはレジン成分が変色の原因に
CAD/CAM冠として保険が適用される場合もあり、純粋なレジンよりは耐久性があります。けれども、セラミック粉末をレジンで固めた素材であるため、レジン部分が水分を吸えば変色のリスクがあります。数年で「なんとなくくすんできた」と感じる方が少なくないのが実情です。
ジルコニアは変色しない強度の高い素材
ジルコニアは「人工ダイヤモンド」とも呼ばれるほど硬く、変色耐性も高い素材です。奥歯など噛む力が強くかかる部位に適しています。ただし、ガラス系のオールセラミックと比べると透明感がやや控えめで、前歯の審美性を最優先するケースではオールセラミックに軍配が上がることもあります。
オールセラミックの美しさを長持ちさせる5つのセルフケア

オールセラミックの寿命は一般的に10〜15年以上とされています。素材自体は変色しませんが、長く美しい状態を保つにはセルフケアがものを言います。
毎日の歯磨きは研磨剤なしか低研磨の歯磨き粉を使用する
粒子の粗い研磨剤が入った歯磨き粉は、セラミックの表面に細かな傷をつけてしまうことがあります。傷ができると、そこに着色汚れが入り込みやすくなるため、研磨剤無配合や低研磨と表示された製品を選ぶのがおすすめです。
着色しやすい飲食後のうがい・水を飲む習慣をつける
コーヒーや赤ワイン、カレーなどを楽しんだあとは、口をゆすぐか水を飲むだけでも表面に色素がとどまる時間を短くできます。
歯ぎしり・食いしばりがある人はナイトガードを検討する
変色とは直接関係ありませんが、就寝中の歯ぎしりや食いしばりはセラミックの欠けや割れにつながります。心当たりがある方は、歯科医院でナイトガード(マウスピース)の作製を相談してみてください。
3〜6ヶ月ごとの定期検診とクリーニングを受ける
セラミック表面のバイオフィルム(細菌の膜)は、毎日のブラッシングだけでは完全に落とし切れません。歯科医院でのプロフェッショナルクリーニング(PMTC)を定期的に受けることで、着色の蓄積を防ぎ、接着部分の状態や二次むし歯の有無も早期にチェックできます。
フロス・歯間ブラシの活用をする
セラミック自体がむし歯になることはありませんが、被せ物と天然歯の境目にプラークがたまると、その下の天然歯がむし歯(二次むし歯)になるリスクがあります。フロスや歯間ブラシを毎日の習慣に加え、境目を意識して汚れを取り除きましょう。
まとめ
オールセラミックは陶材でできているため、素材そのものが変色することはありません。「セラミックなのに色が変わった」という声の多くは、表面へのステイン付着やハイブリッドセラミックとの混同、接着剤の劣化などが原因です。
低研磨の歯磨き粉の使用、フロスの活用、3〜6ヶ月ごとの定期検診を習慣にして、白く美しい状態を長く保ちましょう。
厚誠会歯科 新百合ヶ丘では、患者さま一人ひとりの歯の色味・かみ合わせに合わせたオールセラミック治療をご提供しています。「自分の歯にはどの素材が合うのか」「費用や治療期間はどれくらいか」など、気になることがあればお気軽にご相談ください。













